5億人の女性を救った男
何があっても決して諦めない。妻の健康のために全て投げ出し戦った男の物語を見ました。
主人公ラクシュミ(演:アクシャイ・クマール)が、妻やその他女性のために、清潔で安価な使い捨てナプキンを生み出そうと悪戦苦闘する物語です。インド社会通念上タブーとされている「生理」について触れたり、失敗を重ねながら、安価で清潔な使い捨てナプキンを生産できる機械を開発するまでを追っていくお話。インドならではの文化も知る事ができる勉強にもなる映画。
インドでは、生理用品を使う割合がたった12%しかない(映画終盤では18%になっていた)らしい。
また、生理を「穢れ」ととらえ、5日間は穢れを家に入れないように、家の外で過ごすという描写がありました。
終盤の国連でのスピーチでラクシュミは、1年の内、男は12ヶ月あるが、女性は10ヶ月しかない。男はズルいとい言っていたのも印象的でした。
ナプキンが高級品?
日本では考えられない事だが、インドではナプキンが55ルピー、日本の物価に換算すると1,000円以上。
作品の中でも、ナプキンをプレゼントされた妻のガヤトリ(演:ラーディカー・アープテー)は高くてとても使えないから、返してきて。と言っているほど。
健康と貧困を同時に解決するラクシュミ社
驚くことに映画パッドマンの時代は98年。勝手に大昔を想像していたが、つい最近の話なのだ。
このことからも、インドは文化的な背景から生理用品の普及が遅れていた。
女性たちは、いわゆる「ボロ切れ」を使っており衛生面でも劣悪な環境であった。
SDGsの観点からだと、目標3 すべての人に健康と福祉をに当たる部分をケアする物語であろう。
安価で清潔なナプキンを作る機械を製作したラクシュミとパリー(演:ソーナム・カプール)が次に行ったのは、ナプキンを作る機械を村の女性達に販売し、ナプキン自体を手に職のない女性達自身に作らせて販売までさせると言う事でした。
安価で清潔なナプキンを普及させるだけではなく、女性たちに仕事を与え貧困状態を改善すると言う、好循環をシステムとして生み出したのだ。(目標1 貧困をなくそう)
これは、まさにSDGsの本質である持続可能性を孕んでいる素晴らしい取り組みだと思います。
ビジネスの力で問題を解決する
「本作でラクシュミは、お金を追っていなかった」と言っています。
純粋に妻をはじめとする女性達の健康を気遣って立ち上がった取り組みだったのですが、やはりナプキンが普及した要因は、貧困状態にある女性達に仕事を与えるというビジネス的な側面が成功を支えたのではないでしょうか?。
社会を変えたいという熱い思いと、ビジネス的な側面がうまくマッチした時、SDGsの各目標は達成されるように思いました。
※余談ですが、パリー役のソーナム・カプールさん、息をのむほどの美しさでした。
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