悪魔崇拝
悪魔崇拝と聞くと、いわゆる世間一般の「中二病」が騒ぎ出すのは、宗教観の薄い私たち日本人だけの特権だろうか?特権という言葉が正しいかわからないが、最初「オハイオの悪魔」の紹介文を読んだ時の素直な感想は上記の通りでした。
背中に逆さまの五芒星を刻まれた女の子(メイ・ドッド)がカルト教団から逃げてきたところから物語が始まり、徐々にカルト教団の実態が明らかになっていくお話です。
映像美やカメラワークにより不気味な雰囲気が昇華され、芸術的でした。
特に教会で黒い羽が開くシーンは、邪悪だけど厳かでまさに、悪魔崇拝のイメージが滲み出ていました。
「知らない」弊害
スザンヌ・マティス(演:エミリー・デシャネルさん)とメイ・ドッド(演:マデリン・アーサーさん)は幼少期に、似たような不遇な経験をしており、スザンヌは自分の幼少期と現在のメイを重ね、色々面倒を見ていました。
メイは幼少期から、カルト教団に育てられた結果、世間とのズレに苦しんでいます。
これは、単純な学問的な教育ではなく、社会性を学ぶという部分の教育が、カルト教団の悪き習わしにより学べなかった(知らなかった)事が原因として描かれています。
信仰の自由
この手の問題を考えるとき、信仰の自由と必ずぶつかりますが、生命や身体・精神に悪影響を与えるカルト的な習わしは、当然廃止するべきだと思います。SDGsでは、割礼などに触れていますが、本作の「生贄」的な風習は言わずもがなです。
宗教感の薄い私から見ると、カルトの洗脳がどういったものか深い理解は得られませんが、本作のミステリーな部分を通じて興味深く知ることができました。
目標10 人や国の不平等をなくそう
SDGsの目標10-3では、差別的な法律、政策やならわしをなくし、適切な法律や政策、行動をすすめることなどによって、人びとが平等な機会(チャンス)をもてるようにし、人びとが得る結果(たとえば所得など)についての格差を減らす。
とあります。メイの場合も上記に当てはまり、作物の病気のため生贄(火炙り)になるところでした。
生命に危険が及ぶ悪き習わしはもちろんですが、悪き習わしにより機会(チャンス)が無くなってしまうのはとても悲しいことです。
本作の最後では、メイのミステリアスな本性にゾクッとさせられました(洗脳のせいか不明ですが)。
気になった方は是非視聴してみてください。
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